タイトル:Astragalus-based Chinese herbs and platinum-based
chemotherapy for advanced non-small-cell lung cancer: meta-analysis of
randomized
trials.(進行した非小細胞性肺がんに対する黄耆をベースにした漢方薬と白金製剤をベースにした抗がん剤治療:ランダム化臨床試験のメタ・アナリシス)
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出典:J Clin Oncol. 24(3):419-430, 2006 McCulloch M, 他 (University
of California, Berkeley School of Public Health, Division of Epidemiology,
Berkeley, CA 94720, USA.)
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【目的・方法(抜粋)】進行した非小細胞性肺がん患者に対して、白金製剤(シスプラチンやカルボプラチン)を中心とした抗がん剤治療において、黄耆を含む漢方薬を併用した場合の効果を検討した34のランダム化臨床試験(患者総数2815人)の結果をメタアナリシスの統計的手法で検討した。
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【結果】 |
検討項目
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評価できた臨床試験の数(n=患者数)
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抗がん剤治療のみの場合を1.0として、漢方薬を併用した場合の相対比Risk
Ratio ()内は95%信頼区間 *1
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6ヶ月後の死亡数 |
7試験(n=529) |
0.58(0.48〜0.71)*2 |
12ヶ月後 |
12試験(n=940) |
0.67(0.52〜0.87) |
24ヶ月後の死亡数 |
9試験(n=768) |
0.73(0.62〜0.86) |
36ヶ月後の死亡数 |
6試験(n=556) |
0.85(0.77〜0.94) |
奏効率 *3 |
30試験(n=2472) |
1.34 (1.24〜1.46) |
Performance status(一般全身状態)の維持・改善 *4 |
12試験(n=1095) |
1.36(1.21〜1.54) |
Grade III又はIVの白血球減少 |
9試験(n=808) |
0.39(0.24〜0.63)*5 |
Grade III又はIVの血小板減少 |
6試験(n=777) |
0.36(0.11〜1.21) |
Grade III又はIVの血色素減少 |
5試験(n=500) |
0.26(0.13〜0.49) |
【結論】黄耆をベースにした漢方薬治療は、白金製剤を使用した抗がん剤治療の有効性を高める。この結果は厳密にコントロールされ大規模なランダム化比較試験で確認する必要がある。 |
注釈
* 1:95%信頼区間が1.0を挟んでいなければ、統計的に有意差があると判断される。
*2:抗がん剤と漢方薬を併用した場合の6ヶ月後の死亡数(率)が抗がん剤だけの場合の死亡数の0.58倍であったという意味。95%信頼区間が1.0を挟んでいないので、統計的に有意な差であると言える。
*3:奏功率は抗がん剤治療によって腫瘍の縮小が認められた症例の割合を示し、ここでは全症例数のうち、complete response または
partial response を示した症例の割合で比較している。奏効率のRisk
Ratioが1.34というのは、抗がん剤治療によってがん組織が縮小した率が、漢方治療を併用することによって抗がん剤治療のみの場合の1.34倍になったことを意味している。95%信頼区間が1.0を挟んでいないので、この差は統計的に有意と考えられる。
*4:一般全身状態はKarnofsky performance
scaleの10段階評価を用い、一般全身状態が維持あるいは改善された率を比較。漢方薬の併用によって一般全身状態の維持・改善した率が1.36に上昇したことを示している。
*5:抗がん剤の有害反応の程度分類において、重篤な有害反応とみなされるgrade III〜IVを呈した患者の数を比較し、Risk
Ratioが0.39になったというのは、漢方薬の併用によって重篤な白血球減少を示した患者数が0.39 に減少したことを示す。 |